YouTube上で動画を配信するユーチューバーが、小学生の「なりたい仕事」1位に定着して久しい。実際、YouTubeの広告収入で、年間数億円の金額を稼ぐ動画実況者もいる。そうした動画配信市場の中でも一大市場となりつつあるのが、ゲーム実況動画の分野だ。
一昨年には、任天堂がHIKAKINやはじめしゃちょーなどの有名ユーチューバーを抱えるマネジメント会社・UUUMとゲーム配信に関する包括契約を締結。ビデオゲームをスポーツ競技の一種として捉える「eSports」の普及も、ゲーム実況を後押しする材料となっている。
だが、ゲーム実況で有名な配信者になることを目指すも、挫折する人は少なくない。大手メーカーに勤務する30代の会社員・Aさんもその一人だ。
YouTubeやニコニコ動画でゲーム実況を観ることが趣味だったAさんは、同じ趣味を持つ会社の同僚と意気投合。仕事のない土日を中心に、動画の制作と配信を行うことにした。
「自分も頑張れば、人気配信者になれるだろうという過信がありました。まずは再生1000回を目標に設定。広告収入も、最初は1回の飲み会代くらいになればいいなという気持ちで始めました」(Aさん)
動画実況には、制作用の機材が必要になる。Aさんたちも、マイクやイヤフォン、パソコン、編集用のソフトウェアなど計15万円分を用意した。