YouTubeで配信する際は、人気ゲームのほか、差別化をはかるため、あまりメジャーではない作品にも挑戦した。
動画1本を制作するためにかかる時間は、6時間ほど。企画の打ち合わせ、実際のゲームプレイ、動画編集や字幕をつけるなどの編集作業などで、Aさん曰く「想定以上に体力を消耗し、根気のいる作業だった」という。
そしてその結果は、理想とは程遠かった。
「動画を5本配信したのですが、再生回数は良くて50回ほど。全部合わせてもたったの200回ほどで、知り合いしか見てくれなかったようです。YouTubeでは、1再生回につき広告収入が0.04円ほどもらえる仕組み。私たちがもらえた動画報酬はたったの8円でした。しかも売上金額は8000円を超えないと引き出せないため、8円といえど受け取ることも出来ません。かかる労力が大きい割に、今後成功できるイメージが沸かなかったので、撤退を決意しました」
その後Aさんは、成功している動画実況者と自身との違いについて考えるようになった。
「成功している実況者は、キャラクター設定や動画の世界観などの作り込みが巧み。大声でリアクションし、ハキハキとしゃべり続けるなど、サービス精神も旺盛です。また、たとえ配信動画の1本が注目されたとしても、一夜にしてスターになることは出来ない世界。結局、楽しみながら継続できる人が残るんだと痛感しています」
ゲーム実況の制作者として、成功するためには抜きん出るための“戦略”と、続けるための“継続力”が欠かせないようだ。