そうしたなかで、預金者はどう行動するのが正しいのか。山崎氏が語る。
「ゆうちょ銀行の投資信託商品ラインアップを改めて確認しましたが、購入時手数料や信託報酬の水準を見て、投資の専門家として“買ってもいい”といえるものはほとんどありませんでした。
今年4月から、ゆうちょ銀行の貯金限度額が2600万円に倍増されました。利用者の利便性を高める一方で、郵便局員は顧客の預金残高を把握した上で金融商品の営業をかけられます。結果、資金的余裕がある高齢者が狙われ、手数料の高い投資信託を買わされないかという懸念が新たに生じています」
そのうえ、ゆうちょ銀行の投信販売について十分な検証がなされているのか疑問がある。
かんぽ生命による保険の不適切販売問題は、第三者による特別調査委員会が設置されたが、調査対象にゆうちょ銀行は含まれていない。その理由を改めて日本郵政に問うたが、「原因の洗い出しを終え、再発防止策の実施に向けた目途が立っている」とするのみだった。
※週刊ポスト2019年8月30日号