こうした地方空港も消費税創設で各地に作られた。「1県1空港」を目標に空港整備を進めていた旧運輸省は消費税ができると各県の2つ目の空港建設に1兆円を使い、「1県2空港」で全国に98もの空港ができた。そのほとんどが能登空港と同様に赤字で、税金で補填され続けている。
その能登空港から七尾湾に浮かぶ能登島に向かって車を走らせると、巨大な吊り橋が見えてくる。総工費62億円で建設された「中能登農道橋」(1999年開通)だ。能登島にはもう1本、和倉温泉側に能登大橋がある。島の農家で話を聞いた。
「こんな立派な橋が農道というんだからできたときはびっくりした。島の北部は拓けていないから橋を使う車も少ないし、人口3000人の島に立派な橋2本は税金の無駄使いといわれたけど、能登半島地震(2007年)のときは大橋が4日間通行止めになったから、予備の橋があって有り難かったよ」
地震に備えて離島に橋を2本ずつ架けていてはカネがどれだけあっても足りない。
※週刊ポスト2019年9月6日号