恒久的に徴収され続ける
味をしめた政治家と官僚は復興も増税も決して終わらせるつもりはない。住民税の増税分(1000円上乗せ)は期間10年間で2023年までで廃止されることになっていた。
ところが、自民党は今年の通常国会で法案を成立させ、国民が気づかないうちに2024年からは「森林環境税」(国税)と名前を変えて同額を恒久的に徴収することが決まった。正直に「復興増税を永遠に続ける」といえば国民は黙っていなかったはずだ。
復興事業も止まらない。復興庁は10年の復興期間が終われば廃止される臨時官庁だが、自民党と公明党は政府に「存続」を提言し、「防災省」へと格上げすべきという意見もある。
「臨時増税」を安易に認めてしまうと、いつまでも増税が終わらなくなるという苦い教訓を国民に残した。
※週刊ポスト2019年9月13日号