アルゼンチンがデフォルト(債務不履行)危機に直面している。アルゼンチンは過去にもデフォルトを経験している国だが、もしデフォルトに陥った場合、為替相場にどのような影響を与えるのだろうか。FX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、直近の相場先行きと共に解説する。
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アルゼンチンの財政破綻に市場参加者は警戒を強めています。アルゼンチンペソは過去最安値を更新し、国の信用力を図るCDSなどのクレジット市場でも、アルゼンチンの破綻を織り込む動きが出始めています。
アルゼンチンがデフォルトを迎えた場合、マーケットにどのような影響を及ぼすのか不安視している人も少なくないかもしれません。しかし、結論から申し上げると、「あまり影響しないのではないか」と私は考えています。その理由は単純で、デフォルトの影響を主に受ける投資家は「アルゼンチン国債を保有する投資家」に留まると考えられるからです。
それにしてもアルゼンチンは無茶なことをします。2017年に「100年債」を発行しましたが、もし今年中で破綻したら、100年どころか2年しか保たないことになります。一方でそんな100年債を実際に買う機関投資家がいることを考えると、プロの人たちでもきちんと金融商品のリスクを測るのは難しいということがわかります。
ところで、私は以前アルゼンチンがデフォルトを引き起こした際に、南米旅行をしていました。様子が気になってアルゼンチンにも訪問しています。入国前に想像していたのは「資本規制がされ、国民がボロボロで、厳格な決まりとともに苦しみながらも国家再生に向けて歩んでる」といった状態でしたが、実際の様子は多くの国民が財政破綻したことを気にも留めていませんでした。ラテン気質がそうさせていたのかもしれません。