10月1日に消費税率8%から10%への引き上げが控えているが、消費増税のドル円相場への影響はどうなるのだろうか。今後のドル円相場の展望について、FX(外国為替証拠金取引)などでのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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8月の夏枯れ相場で例年のアノマリーどおり円高が進行しました。今後は10月の消費増税を睨んだ展開になります。
私は中長期的に円安バイアスがかかると予想しており、10月以降のクロス円のトレードも円売りを意識します。クロス円で外貨買い/円売りを行えば、ユーロ円やスイス円を除いて、基本的にスワップポイント(金利差収益)も狙えます。
円売りトレードをイメージする理由に、過去の消費増税局面でも円安に推移してきたことがあります。過去の相場を振り返ると、消費増税後の1年間でドル円が10円以上の円安に動いたこともありました。また、消費税アップは実質的な円の価値を低下させることに繋がり、これも円安材料になると考えられます。
もちろん断定するわけではありませんが、テクニカル分析・売買比率の観点から、私自身は中長期視点で円売りのポジションを取ろうと考えています。「負けない投資」にするため、「資産管理」や「メンタルコントロール」も徹底したうえでトレードします。
最後に、気になる通貨ペアとして、ポンド円の値動きも紹介しておきましょう。ポンド円は1ポンド=126円程度まで下落していましたが、一時1ポンド=130円付近まで反発しました。イギリスのブレグジット(EU離脱)に絡む動きですが、反発の源は新規の買いフローが現れているからではなく、ポンド売りをしていた投資家が、一旦ポジションを決済したことによる動きと見られます。
相場の反発理由が、「ポジションの決済」なのか「新規ポジションの構築」なのかで、今後のトレード方針や相場予想は大きく異なります。どちらの動きなのか、しっかりチャートを見て、確認しておきましょう。この判断が勝ち組トレーダーと負け組トレーダーの分かれ目と言っても過言ではありません。フローの背景を知ることは、トレードの収益にそれだけ影響を与えるということです。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)