大人の女性の関係は、友情で成り立つことの方が少ない。同僚やママ友など、仕事や育児での利害関係が絡むからこそ、たとえ嫌な存在がいても、がまんせざるを得ない。それが家族ならなおさら…。そんな負のループから脱出した契約社員の50才女性の体験談を紹介しよう。
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“嫌な女”に目をつけられても、他人ならば距離をおけばいい。私の場合、それができないからつらい…。だって私の人生の中で最も嫌な女、それは母なんですから。
母の口癖は「あなたのため」。このセリフとともに、健康食品、占い道具、サプリメント、金融商品などを、私名義で勝手に申し込んでくるんです。
「私ももう子供じゃない。必要なものは自分の判断で買うから」と、母の“善意”を拒否すると、過去を持ち出してヒステリー大爆発!
「あの時、私の言う通りにしなかったから、あなたは結婚もできず、恋人すらいない、寂しい人生を送ることになったんじゃない」
などと泣き叫ぶ。未婚は事実だから、これを言われると自己嫌悪に陥って、何も言い返せなくなるのよね…。それを見計らって母は、いつも私を自分の操り人形にしようとしてくるんです。
もう耐えられないと思った私はある時、自分の中で、「1日のうちでコーヒー1杯を飲む数分だけ、絶対に私だけの時間にする」とルールを決めたんです。
その後、母に「今すぐ回覧板を回してきて」と命令された時も、勇気を出して席を立たなかった。すると案の定、泣き叫び始めたんだけど、
「お母さんも一緒にコーヒーを飲もうよ。飲んだら回覧板を回しに行くから」と、おだやかに言ったら、ポカーン…。泣きやんでおとなしくコーヒーを飲み始めたんです。「あの母に反抗できたんだから、私は大丈夫」という自信になりました。