飲酒や車の免許取得など、若い頃はできることが増えていく“嬉しい関門”だった「年齢制限」。それが逆に歳を重ねたことが理由で「できなくなること」が出てきてしまう。
孫と一緒に過ごすレジャー施設でも「年齢制限」は待ち受けている。孫の場合は身長制限はあるが、祖父母になると年齢制限があるのだ。
「富士急ハイランド」では、ジェットコースターとして「高さ」「巻き上げ高さ」「落差」「最高速度」の4項目で世界一の記録を持ったことのある「FUJIYAMA」や、「加速度」で世界ナンバーワンの称号を持つ「ド・ドドンパ」など数々の絶叫マシーンがあるが、それらはほぼすべて「64歳まで」という年齢制限が設けられている。
8月に孫の夏休みで一緒に遊園地に行ったという埼玉県在住の65歳男性は嘆く。
「体の丈夫さが自慢で、これまで孫と山登りや川遊びなど様々なところに出かけてきました。だからジェットコースターも一緒に楽しめると思ったのですが、まさか年齢で区切られるとは……。孫と一緒に並ぶこともできないので、1時間ほどベンチに座って待つ羽目になった」
「浅草花やしき」でも、1953年に作られた日本最古の「ローラーコースター」を含め、スリル系の4つのアトラクションは、65歳以上は乗ることができない規定になっている。
人生100年時代と言われるが、「シニアの年齢制限」がそんな時代の“生きにくさ”の原因になってはいけない。
※週刊ポスト2019年9月20・27日号