コスパの面でも、スーツからの解放は大きいとBさんは言う。
「ボーナスがスーツ代に消える悲しみったらないです。安い給料で働いているのに、それがスーツ代で消化されるというのは、どう考えてもおかしい。ユニクロやGU、なんだったらワークマンとかで機能性重視の服を買った方が、普段着でも着られて最高だと思います。うちの会社でも、三井住友銀行の決定はかなり話題になっています。総務や人事部長がかなり興味を持っているみたいなので、良い方向に変わることを祈っています」(Bさん)
PR会社勤務の40代男性・Cさんは「真夏にスーツとかおかしくないですか?」という新人の言葉が忘れられない。最近、自分でも「確かにそうだよな」と思いながらスーツで営業に出かけていると話す。
「新人に指摘されるまで、『スーツが当たり前』だと思っていて、あまり疑問に思っていなかったんです。確かに暑いし蒸れるし臭うけど、“そういうもの”だと思っていたし、むしろ『夏にスーツを着こなすのはかっこいい』とさえ思っていました。よく考えると、暑いのにスーツをわざわざ着て仕事するって不思議ですよね」
CさんはTシャツと短パン姿での勤務に憧れるが、「それでもスーツは辞められない」と明かす。その理由は「何だかんだでスーツ一択って、楽ですからね」「サラリーマンのユニフォームみたいなものじゃないですか」と苦笑い。三井住友銀行の通年での服装自由化についても懐疑的だ。「大手企業は大手企業、うち(中小企業)はうちです。遠い国の話にしか思えないです」と本音を吐露する。
メガバンクの一角による服装の自由化は、日本企業の“スーツ縛り”のトレンドに風穴を開けることができるのか。追随する他の企業がどこまで出てくるか、注目したい。