そして「かなりのブラック」と話す職場での待遇については、こう話す。
「本業は建築業のサラリーマンで、いわゆる現場監督です。会社の上層部からは納期に間に合わせるために急げと言われ、職人さんたちからは『そんなの無理に決まってるだろ』とどやされる。板挟みに苦しむ立場です。さらに、職人さんは交代制でも、現場監督の代わりはいないので、結局自分が昼も夜も仕事をするしかないんです」
有名大学の建築科を卒業したゆゆうた。希望の職業に就けたのではないかと尋ねると、そういうわけでもないという。
「自分が大学を出る頃は就職氷河期で、受けても受けても落とされてしまった。今の会社も望んで入ったわけではありません。やりたい仕事でもなかったのですが、仕方なかった。仕事から戻ってピアノを弾き、動画投稿するのが楽しかったし、ちょっと大げさかもしれませんが、“生きがい”のようなものだったかもしれません。もし、YouTubeがなかったらと思うと、ぞっとします」(ゆゆうた)
社会で苦労を重ねたどりついた“居場所”
料理系YouTuberで、調理師免許を持つ両親から学んだという鮮やかな包丁さばきで魚をおろす動画を公開する「きまぐれクック」を運営するかねこも、退職届がきっかけでブレークを果たした。
会社を辞める際の有給休暇消化中に自分ひとりでYouTuberとしての活動を始め、時間があるからと力を入れて動画制作をしたところ、一気に再生数が伸びた。当時、すでに次の職場が内定していたが、「きっとこの道で食っていける」と確信して、辞退したのだそうだ。