米・アップル社が11日に、iPhoneシリーズの最新機種となる「iPhone 11」、「iPhone 11 Pro」、「iPhone 11 Pro MAX」を発表した。昨今、スマートフォンの普及率も高止まりし、買い替えサイクルも長くなったことで苦境が続いている携帯ショップ業界にとっては、重要な商戦期となる。
携帯ショップの現場では今回のiPhone新機種発表をどう受け止めているのか。大手通信キャリアで携帯ショップを統括する男性・A氏が、その内情を明かす。
1年間で最も機種変更が増える季節
「例年iPhoneの新機種が発表となる9、10月は、新生活での需要が増える1~3月に続く、2番目の繁忙期です。根強いiPhoneファンも多いことから、1年間でもっとも機種変更が増える時期でもあります。スマートフォンの普及率は84%とほぼ頭打ちの状況なので、iPhoneを購入する顧客の9割が機種変更。新作が出ると同時に価格が安くなるため、現行機種の販売が増えることもiPhoneならではの特徴です」(A氏、以下「」内同)
1週間の間に、A氏の携帯ショップを訪れる平均的な人数は約300人。新型iPhone発売後の最初の1週間は、通常3倍以上の数字に跳ね上がる。そのためiPhoneの予約開始日以降はショップ店員のシフトも平日の人員を減らし、土日に集中させるなどの対応を行う。
「きちんと販売している携帯ショップに新機種が優先的に割り当てられるため、iPhoneの販売のみに注力するような店舗もあります。本部からは、他の商品やオプションの加入率が下がらないように指導がありますが、なかなかうまくいきません。かき入れ時ではあるものの、現場の忙しさも増すため、前後でスタッフの退職が増えるのも、毎年の風物詩です」