バイトでもできる仕事なので、能力が身についている自覚がない
後片付けや翌日の打ち合わせを終えて、帰宅するのは昼の12時頃。6時間の就寝後、毎日仕事終わりの18時から24時までがプライベートの時間だ。労働時間も決まっているうえ、放送がない土日は休めるため、思いのほか規則正しい生活を送ることができているという。一方でバラエティ番組の現場に配属された同期社員からは、徹夜仕事もあると聞く。
Aさんによれば、入社当時は、旬な女優やアイドルがスタジオを訪れることに高揚感があったが、次第に芸能人が多い状態に慣れてしまった。また仕事は「バイトでもできる作業」も少なくないため、あまり達成感がないという。
「番組内のルールに最適化された対応は出来るようになりましたが、普遍的なテレビマンとしての能力が身についている自覚はない。その一方で、自身が手掛けた企画が放送されたり、重大事件の決定的な瞬間を押さえたりする同期社員もいて、悔しさを感じることはあります」
情報番組なら4年、バラエティ番組なら7年程度の下積み期間を経て、次の役職であるディレクターへと昇格することが多いのだとか。夢であるテレビディレクターになるために、今日もAさんは終電で出社する。