住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「新横浜」(神奈川県横浜市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東海道新幹線の駅としておなじみの新横浜は、“本家”の横浜駅からは直線距離で5km以上離れている場所にある駅。開業当初は感心するぐらい何もない場所に作られた駅ですが、今や駅前には商業ビルが立ち並び、大都会的な街並みが広がっています。オフィス街という印象も強い新横浜ですが、暮らす街としての実力はどうでしょう?
鉄道は東海道新幹線、JR横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインの3線。在来線で都心に向かう時に乗り換えが必要なのが非常に面倒でしたが、現在建設中の相鉄・東急直通線が開業すれば、都心方面へのアクセスが一気に良くなります。東急東横線や目黒線の沿線の方も、東海道新幹線に乗る際に新横浜を使うようになるでしょうから、新横浜の存在感は益々大きくなるでしょう。
道路状況は、東海道新幹線の線路を挟んだ北側と南側で大きく異なります。北側は広々とした道が通り、第三京浜や首都高速神奈川7号横浜北線など、高速道路へのアクセスも良好。一方の南側は、クネクネとした狭い道が好き勝手な方向に伸びており、歩行者や自転車も多いので、運転は要注意です。道路状況だけでなく、新横浜全体に言えることですが、北側(北口)と南側(篠原口)のギャップがあまりにも大きいのがこの街の特徴です。大都会をイメージして篠原口側に来ると、のんびりとした雰囲気に驚くことでしょう。
新幹線なら京都日帰り旅行も可能
新横浜に住むのであれば、新幹線通勤も選択肢に入れたいところです。東京~新横浜の1か月の定期代は4万7580円(通勤)、品川~新横浜は4万5000円と、購入をためらいそうな額ですが、東京駅まで17分、品川ならわずか10分。ぎゅうぎゅう詰めの列車に30分以上揺られることを考えれば、優雅に座れる新幹線通勤は検討に値するでしょう。