手紙やプレゼントのチェックも
マネージャーに向いているのは、呼ばれたらすぐに動けるフットワークの軽さがある人や、連絡がマメな人。芸人に気持ちよく仕事をしてもらうために、スタッフと仲良くなって、どういうことを求めている番組なのかを聞き出し、芸人に伝えることもある。また、番組の収録中は担当芸人がどういう発言をしたのかをメモっておく。そして後日オンエアをチェックし、使われた発言、カットされた発言を確認して担当芸人に伝え、次に繋げるなどの見えない努力もしているのだという。
ファンから送られてきた手紙やプレゼントを事務所で一度開封し、中身を全てチェックするのもマネージャーの仕事だ。
「基本的に手紙やプレゼントは全て担当芸人に渡すようにしていますが、たまにストーカー気質なものもあるので、それは事務所判断で処分することもあります。芸人には芸事以外で心配を掛けたくないですからね」
マネージャーとして心掛けていることは芸人がストレスなく仕事ができるように、先回りして動くことなのだという。そうしているうちに、担当芸人の飲み物や食べ物の好み、今何をしたいのか、などがわかるようになってくるそうだ。
芸人とマネージャーの関係は、普通のサラリーマンの上司と部下の関係でもないし、ビジネスパートナーとも異なる特殊なものだ。芸人にとってなくてはならない存在がマネージャーであり、マネージャーによって芸人の将来が決まるといっても過言ではないだろう。
■文/矢口渡(芸人ライター)