レシピも「SNS検索」する時代
かつてクックパッドのヘビーユーザーだった30代の主婦・Bさんは、ユーザーの環境の変化を挙げる。
「もはや、レシピは一つのサイト内で調べるものじゃない。レシピを知りたいときは、Twitterやインスタグラムに『茄子 味噌 レシピ』などと直接入力して検索しています。主婦も忙しいし、共働き世帯も増えている。時間をかけて自分の口に合いそうなレシピを探して、丁寧に調理するよりは、SNSや偶然目にした動画で直感的に気に入った料理を作ることの方が、自然になっているのでは。
そういう意味でクックパッドの動画サービス『cookpadLive』(旧『cookpad TV』)は、基本的に“クッキングLIVE”を配信するもので、ぱっとレシピを知りたいときに使うものではない印象です」
「動画じゃないと“入って”こない」
一人暮らしを機に自炊を始めたのは、20代の女子大生・Cさん。新生活とともに、レシピサイトをチェックするようになったものの、料理の手順が「文字」で紹介されることに違和感があるという。
「私たちのようにYouTubeなどの動画サービス慣れしている世代にとっては、調理の手順が文章で書いてあっても頭のなかに“入って”こない。『短冊切りにする』『とろ火で煮込む』などと書いてあっても、具体的な手順のイメージが出来ない人が、周りにもたくさんいます。その点、切り方や次に何をすればいいかなどがわかるレシピ動画はいいですよね」
かつての愛好者たちからは、拡大によるレシピ増、競合サービスの登場、ユーザーの環境の変化など、様々な要因が「クックパッド離れ」の要因として指摘されているが、はたして歯止めはかかるのか。