今回の消費税の増税では「軽減税率」「キャッシュレス化」「ポイント還元」など、新しい仕組みが導入されるが、その仕組みを知っただけでは家計を防衛することはできない。
経済本で日本初のミリオンセラーを記録し、家計管理のエキスパートでもあるカリスマ講師の細野真宏さんは「実は、今回の消費税には、意外な引っかけ問題がいくつかあるのです。まずは、どこの店で買い物をすべきかを具体的に考えることが重要になるのです」と言う。消費税の増税における「引っかけ問題」とはどういうことか? 詳しく聞いた。
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今回の消費税の増税では、国は中小企業のお店に対して「5%のポイント還元」をするので、買い物をするなら、できるだけ中小企業のお店で買いたいですよね? では、そもそも、「中小企業のお店」というのは、具体的にどのようなお店なのでしょうか?
まず、国が今回のポイント還元の対象としている「中小企業のお店」は、以下の条件があるのです。
「資本金5000万円以下」または「従業員50人以下」の会社で、全国に約200万店あります。これは規模が小さめなので、「全国チェーン店」は対象外ですし、「地元で数店舗くらいのお店」というイメージでしょうか。
しかもこのような店を選べば必ず「5%のポイント還元」を受けられるのか、と言うと、それは「誤解」なのです!
実は、国の「ポイント還元」の仕組みを使うには、お店が国に申請しないといけないのです。この10月1日から開始できるように申込みをしたお店は、約59万店しかありませんでした。これは、大まかに言うと、全国の「中小企業のお店」の約3割ということになります。つまり、せっかく「中小企業のお店」で買い物をしても、7割のお店では通常の消費税がそのままかかり、国の「ポイント還元」はゼロになるわけです!