気象庁の予報では暖冬傾向にあるという今冬。暖房の電気代も安く済ませたいところだが、増税の影響によって、家計の切りつめは不可欠な問題に。それでも今まで、電気代の節約というと、こまめに電気を消したり、エアコンの設定温度を調整することくらいしかできなかった。しかし、契約する電力会社そのものを見直せば、年間数万円という単位で電気代をカットできる可能性がある。
2016年4月に電力の小売全面自由化がスタート。当初は既存の電力会社も新規参入業者も手探り状態だったが、それから3年半が経ち、各社とも消費者のニーズに合ったサービスをラインアップするようになっている。だが実に4600万以上の世帯が電気代を減らせるにもかかわらず、放置しているという。
まず、別荘や家族が誰も住んでいない田舎の実家のように、1年のうちで限られた期間しか電気を使わない家では、基本料金そのものを削ることが大きな節約となる。エネルギー自由化を推進する経営コンサルタントの江田健二さん(RAUL代表)が語る。
「新電力の中には、基本料金が無料の会社もあります。その分、使用量に応じた料金が割高になっていることが多いですが、基本料金を払い続けるよりはずっと安く済むはずです」
規制料金は、電気の使用量に応じて3段階で区切られており、段階が上がるごとに1kwh毎の単価が高くなっている。3段階目に入っていて、毎月の料金が2万円を超えるような家庭なら新電力のひとつである「F-Power」の「ピタでん使いたい放題」プランなど年間5 万円近く節約できるプランが見つかる可能性もある。
一方で、あまり電気を使わず1段階目でおさまる単身世帯の場合は、新電力に切り替えると高くついてしまうこともあるという。環境エネルギージャーナリストの本橋恵一さんが語る。
「電気の使用量が少ない単身世帯をターゲットにした新電力はまだ少なく、一時的なキャンペーンにつられて契約すると、キャンペーン終了後には元よりも高くなる恐れもある。単身世帯に限らず、どんな家庭もまずは自分の家庭の電気の使い方を把握しておくことが大切です」