為替レートを見ると、現在は日本円に対し、韓国ウォンが安くなっている。韓国経済の低迷をきっかけに、2015年春に100円=約900ウォンだったのが、今年8月には100円=約1150ウォンまで下落した。つまり、日本円から両替すると、この4年余りで2割以上も多くの韓国ウォンを手に入れることができるようになったことになる。
それは現地の製品を買ったり、現地のホテルに泊まったりした時も同じ。約4年前に比べて、およそ“25%オフのバーゲンセール”状態になっている計算だ。
簡単に言えば、5年前ならば100円で500ミリリットルのミネラルウオーターが2本しか買えなかったところが、今なら3本買えるほどになっているということ。2泊しかできなかったホテルが、同じ金額で3泊もできてしまうのだ。
この傾向は、今後も続きそうだ。日韓ビジネスの経営コンサルティングを手掛ける、コリアマーケティング代表の金世永(キム・セヨン)さんはこう話す。
「為替レートの予想は非常に難しいのですが、今後も円高傾向が続くとみる貿易関係者は多い。円高ウォン安が加速すれば、より安く韓国商品を買えるようになります」
今後、100円=1200ウォンを超えるようになることも想定されるという。
現地に買いに行くよりもおトク
しかし残念なことに、今、日韓関係は史上最悪の状態だとされる。今年8月、日本が輸出管理の優遇措置対象国である「ホワイト国」から韓国を外すと決定。韓国も日本を優遇対象から外した上で、機密保持が必要な軍事情報を日韓で交換するための協定(GSOMIA)の破棄を決定した。
同月、ソウルの繁華街で旅行中の日本人女性(19才)が、韓国人の男に襲われる事件が発生。差別用語で罵倒され、髪の毛を引っ張られた。女性は尻餅をついて後頭部から地面に頭を打ち、首や手などにけがを負った。
さらに、韓国内では文在寅政権が主導する形で「日本製品ボイコット」が叫ばれ、スーパーの棚からは日本製品が姿を消したままだ。