もちろん、PTAに意義を感じて率先して参加する保護者もいる。最近はPTAの活動内容そのものが見直され、地域のニーズに沿った活動も多くみられる。
だが、共働きが当たり前になり親世代のライフスタイルが大きく変わる中、旧態依然の理不尽な負担を強いる「ブラックPTA」に疑問を抱く人は少なくない。
問題はPTAへの参加を拒むと、子供や孫が不利益を被るケースもあることだ。PTA問題に詳しいライターの大塚玲子氏が指摘する。
「学校によっては、今でも『PTAに入ってない家庭には会員と同じサービスを提供しない』ところがあります。例えば、非会員の家庭の子供には卒業式のコサージュを渡さない、集団登校の班から外す、PTAのイベントに参加させないといった嫌がらせをちらつかせる。PTAを“義務”と思い込む人ほど、非会員を排除しがちです」
その一方で、一旦引き受けると「終わりが見えない」ことも難点だ。都内の小学校の現役PTA会長で弁護士の岡田卓巳氏が指摘する。
「後任が見つからないと、子供が卒業してからもPTA会長や役員を続けなくてはなりません。実際に会長にとどまってバツの悪い思いをする方もいます。幸いにも私はずっと目を付けていた方を口説き落とせたので、無事にPTA会長を卒業できそうですが」
※週刊ポスト2019年11月1日号