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コーエーテクモホールディングス:強力IPが武器のゲーム会社

コーエーテクモホールディングス(3635):市場平均予想(単位:百万円)

コーエーテクモホールディングス(3635):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 コーエーテクモホールディングス(3635)は「信長の野望」や「三國志」などに代表される歴史シミュレーションゲームにブランド力を有す「コーエー」と、「DEAD OR ALIVE」などアクションゲームで特に欧米市場に強みを持つ「テクモ」が、2009年に経営統合して設立した大手ゲーム会社です。

 創業以来一貫して黒字の安定経営を継続しており、前期には経営統合から9期連続で増益を達成するなど開発に費用の掛かるゲーム会社としては抜き出た優良企業と思います。

 事業構造は、ゲームの他にもアミューズメント施設や不動産もやっていますが、売上の9割をゲーム開発を手掛けるエンターテイメント事業が構成しています。

 主力のエンターテイメント事業では、「信長の野望」や「三國志」を展開する「シブサワ・コウ」ブランドをはじめ、「ω-Force(オメガフォース)ブランド」、「Team NINJAブランド」、「ガストブランド」、「ルビーパーティーブランド」、「midasブランド」という6つのブランドでゲーム開発を行っています。得意のシミュレーションゲームはシブサワコウブランドが担っていて、「ポケモン+信長の野望」や「妖怪三国志」といったように、他社IP(Intellectual Property)とのコラボレーションにも成功しています。

 看板タイトルの「信長の野望」や「三國志」は、30年以上も愛され続けている超ロングセラーIPです。

 同社では、この「信長の野望」や「三國志」のほか、「Winning Post」「大航海時代」等のIPを、シミュレーションゲームをはじめ、オンラインゲーム、ロールプレイングゲームなど様々なジャンルに展開。また、他社IPとコラボレーションすることも多く、安定したロイヤリティ収入に繋がっています。

注目ポイント

 足元の業績は前年の反動や開発費用、新オフィス費用の計上により、減益となっていますが、基本的にはロイヤリティ収入の継続的な増加により堅調に推移しています。利益率の高いIP許諾によるロイヤリティ収入が増加することで収益性が高まることが予想でき、今後も強いIPを武器とした利益拡大が狙えると思います。

 その結果、同社はゲーム開発会社であるにもかかわらず創業以来黒字を継続することができています。財務状況は盤石で、自己資本比率92.6%、有利子負債は20億円ありますが約70億円の現金等で賄える実質無借金の状態です。

 安定した収益力と盤石の財務基盤を味方に、来年1月に竣工を控える設備投資にも借り入れを一切行わず自己資金で賄っているのは注目に値すると思います。

 同社の配当方針は、配当性向50%あるいは1株当たり50円と高水準です。前期には記念配当を実施し、自社株買いも行ったことで総配分性向は62%に達しました。直近の配当利回りも2%を超えており、配当狙いの投資もアリだと思います。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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