芸能界でも広く浸透している手法で、徳井と同じ吉本興業所属タレントでも、明石家さんま(64)やココリコの田中直樹(48)などが個人会社を設立している。
そして「経費」の計上も大きな節税ポイントになる。元国税局調査官の大村大次郎氏は、「経費かどうかの判断基準が明確でないグレーゾーンを突いて、一般より多くの経費を認めさせる税理士はいる」と語る。多くの芸能人やスポーツ選手を顧客に持つベテラン税理士が指摘する。
「税務署を納得させるため、芸能人の方に『業務上、どうしても必要です』という“ストーリーを描く”よう助言する税理士は多い。例えば女優や女性タレントの場合、『パーティでセレブと交流するためエルメスのバーキンが必要』『見られるのが仕事なので美容が欠かせない』などと主張すれば、衣装代や化粧品などが仕事上の経費として認められやすくなる。
実際はプライベートで使用している高級外車でも、『地方営業やテレビ局への移動手段として使う』という名目が立つ。『移動時間やスケジュール管理に使う』などの理由が付けば、1000万円近い高級時計であっても経費に計上できる場合がある」
洋服代をどこまで経費として認めさせるかも、税理士の腕の見せどころだ。
「実際はプライベートで着る服でも、テレビ出演が多いタレントなら“衣装”として認められる。番組でスーツを着ている印象が強い大物司会者は、毎年10着近い高額な背広を衣装代として認めさせていた」(同前)
※週刊ポスト2019年11月22日号