タバコやカップ麺と交換する仕事帰りのパチンコファン
しかし、なかにはあえて景品と交換するというパチンコファンもいる。30代の独身男性会社員・Aさんはこう話す。
「私の場合、いわゆる“1パチ”とか“5スロ”(後述)と呼ばれる貸玉料金が低いパチンコやパチスロで遊びます。しかも、仕事帰りに寄ることが多いから、打てる時間も少なくて、たとえば1回当たったらすぐに交換して帰ることも多い。そうなると1回の交換が多くても3000円分くらいで、ほとんどの場合は1000円分くらい。そもそも換金できる最低金額に満たないことも多いので、基本的にはタバコと交換しています。カップ麺と交換することも多いですね。ただ、やはり休みの日に長い時間打ってたくさんの出玉を交換する場合は、換金します」
パチンコ、パチスロにおいては、貸玉料金の上限が設定されている。基本となる上限はパチンコが1000円で250玉(1玉=4円)、パチスロが1000円で50枚(1枚=20円)。ここに消費税分が加味されて、パチンコが1000円228玉、パチスロが1000円46枚で貸し出す店舗もある。
“1パチ”とは「1玉=1円」の料金でパチンコを楽しめる営業形態のこと。“5スロ”であれば「1枚=5円」でパチスロができる。通常の4分の1の料金で遊技できるが、当然交換する際も通常の4分の1となる。これらの営業形態は“低貸”と呼ばれ、“2パチ”、“10スロ”などといったように、料金も様々だ。
「低貸のユーザーは“お金を増やす”というモチベーションではなく、“パチンコやパチスロを楽しみたい”という人が多い印象です。少ないお金でちょっと遊んで、おまけとして景品を持ち帰るという感覚。あるいは、低貸で得た出玉は全部“貯玉”しておいて、次に遊ぶ時に使うというユーザーも多いです」(藤井氏)
高額景品と交換して後悔するケースも
一方、40代の会社員の男性Bさんは、高額の景品と交換して、失敗したことがあると話す。
「10年以上前の話なんですが、パチンコ店で出玉を電気シェーバーと交換したんです。たしか1万円分くらいだったと思います。ちょうど欲しかったので、良いものをゲットしたなあと思っていたんですが、後でネットで調べてみたら、同じ商品が1万円より安い値段で売っていたという……。しかも、さらに高性能な商品がもっと安く売っていて、がっかりしました」