勝負ごとに金銭を賭けることは賭博罪にあたるが、仲間内でレジャー的に賭け麻雀や賭けゴルフなどを楽しむケースは珍しくないだろう。これらの行為で、逮捕される人とされない人がいるが、その差は何か。弁護士の鈴木淳也氏が解説する。
「例えば、仲間うちでお菓子や翌日の昼飯代を賭けたりする程度はお楽しみレベルと判断され、警察もそこまではとやかく言わないのが現実です。金額でいえば1000円程度まででしょうか」
一晩で数万円単位が動くこともある賭け麻雀は本来なら完全にアウトだが、「親睦を深める意味で麻雀をする場合は、警察も目をつぶっている」(鈴木氏)のが現実だ。
警察が違法賭博の行なわれている雀荘やカジノを摘発する第一の目的は、客が払う金で儲けを得ている店側を賭博開帳図利罪や常習賭博罪で検挙するため。
「警察が店に踏み込んだり潜入捜査をしたりするのは、賭博は現行犯でないと立証が難しいから。その場に居合わせた客は単純賭博罪で引っ張られますが、50万円以下の罰金または科料で済むのが相場です」(同前)
「テンピン(1000点100円)以上は処罰される可能性がある」というのは麻雀好きの間ではよく知られている“定説”だ。
かつて、漫画家の蛭子能収氏が麻雀賭博の現行犯で警視庁に摘発された際も、店側は賭博開帳図利容疑での逮捕だったが、蛭子氏ら客14人は単純賭博容疑だった。この時、賭け金はテンリャンピン(1000点200円)だった。