貸したお金の使い途が子供の手術代であることが前提とされ、子供の手術代でなければ融資しなかったことが明らかであれば、契約は無効で返金を請求できます(来年4月の改正民法の施行後は取消が必要)。この考え方の有効性は、その資金の使途があるからこそ、融資するという動機が契約時に表示されていたかの証明が必要です。
これらの証明は簡単ではありません。そこで貸金の証書に、お金を貸す目的を書いておき、違っていたら、違約として一括返済するよう特約しておくと、万一のときに一括返金が請求でき有効です。
【プロフィール】竹下正己●1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号