ところが、2022年には団塊世代が75歳を迎え、この制度のままでは国民医療費の総額が膨れ上がることが予想される。
そこで政府が医療制度改革の第二弾として準備しているのが、75歳以上の窓口負担を現行の1割から2割に引き上げる案だ。「1割増」といっても、実際に病院で支払う自己負担額は2倍になる。
厚労省は75歳以上の医療費窓口負担が2割に引き上げられると年間の医療費負担がどれくらい増えるかを病気ごとに試算している(図参照)。
一目してわかるように、腰痛をはじめとする関節症や高血圧など、定期的な通院が必要とされる疾患では、文字通りの「医療費倍増」となる。歳を重ねるほど、腰痛のように慢性的な症状の出る疾患や、高血圧など長期の通院が必要な病気に悩まされる機会は増えるため、その影響は非常に大きいと考えられる。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号