定年後、年金だけで暮らしたいと考えている人もいるだろう。その場合、日々の「生活費」を見直す余地がある。成功した人の表情は明るい。
都内在住の伊藤さん(63・仮名)は「食品ロス」に着目して成功した。伊藤さんの世帯の食費は、家計調査で平均とされる6万4000円だった。
「まずは『無駄な買い物を減らす』ことから始めました。冷蔵庫の中の写真を撮って、“在庫”を常に把握するようにし、極力買い溜めをしないようにする。やってみて分かったのですが、食費だけなら月3万円もあれば十分なんです。毎晩の晩酌にビールを買っても月4万円。無駄は省いているけど、我慢はしていないから、つらいとは思いません」
他にも無理なく削れる費用がある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が勧めるのは「節電」だ。
「家計調査で毎月9000円とされる電気代はやや高い。大きめの戸建てに住んでいると冷暖房効率が悪いので、窓に厚手のカーテンをつければエアコンの効率が3割ほど改善します。こまめな節電で、電気代は夫婦での暮らしなら月6000円程度まで抑えられるはずです」
丸山氏は家計調査で月1万1550円の自動車維持費も見直し対象だとする。
「特に地方は車を手放せないと言われますが、最近普及しているカーシェアリングを使える地域であれば、コスト削減は可能です。カーシェア大手のタイムズなら基本料1030円、利用料は15分206円からなので、週に一度近場の買い物に利用するなら月4000円ほどで利用できます。買い物はネット通販を活用する手もあります」