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チケット不正転売禁止法の施行から半年、転売事情はどう変わった?

 売買サイトでやり取りされるチケットの中には、電子チケットや入場時のIDチェックが必要なものもある。

「出品者が購入者にファンクラブの会員番号とパスワードを教えて、電子チケットを発行して入場するパターンもあります。あと、ファンクラブで複数枚数のチケットが当選している場合などは、その同行者として入場する権利を売買することもあります。そういう場合は、出品者と落札者がいっしょに入場することになります」(大塚氏)

 Aさんによると、売買されるチケットの数は減っているようだが、まだまだ“禁止された”という実感はないという。

「ヤフオクやチケキャンで買っていたものを、別のサービスで買うようになっただけ、という感覚です。ただ、主催者側がIDチェックを厳しくするなどして、かなり対策をしているので、チケットが出回るのは一部の公演のみだし、今後はどんどん減っていくと思います」

 一方、コンサート会場の近くで、チケットの売買を行う「ダフ屋」はいま、どうなっているのだろうか。コンサート事情に詳しい音楽関係者はこう話す。

「かつてに比べれば、かなり減ってはいますが、今でも公演によってはダフ屋がいますね。特に、アリーナクラスのコンサートで、なおかつ“紙チケット”の公演であれば、会場近くで見かけることも少なくないです。ただ、実際にダフ屋とやり取りをする人は減っているみたいですけどね」

「チケット不正転売禁止法」が施行されたからといって、いきなりチケットの転売がなくなるわけではないが、徐々に減ってきてはいるようだ。

「現状では、どこまでが“不正転売”となるのかの判断が難しい状況。売買仲介サイトについても、基本的には“何らかの事情で行けなくなった公演のチケットを譲りたい”という人が出品するという形なので、営利目的の転売とは言い切れない。

 ただ、定価を大幅に上回る値段で取引されているものも多く、それをどう捉えるかは判断が難しいところでしょう。今後、このあたりを厳格に取り締まっていくならば、売買仲介サイトは閉鎖せざるを得なくなる可能性も高そうです」(大塚氏)

 劇的に状況が変わったわけではないが、少しずつ変わりつつあるチケット転売事情。東京オリンピック開催までにどうなっていくのか注目したい。

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