今年は米大統領選も重なる。大統領選の年は、特に現職大統領が共和党出身の場合は、アメリカのGDP成長率が高いというデータがある。選挙を有利に進めるため、大統領選に照準を合わせて景気対策が行われる傾向があるからだろう。米経済が上向けば、当然日本をはじめ世界中の経済が良い影響を受ける。
2019年のデータの中にも、新しい年に続きそうな良いサインがある。たとえば、雇用の限界的なデータとも捉えられる自殺者数をみると、11月までで1万8382人と、10年連続の減少はほぼ確実な状況だ。なおかつ、微妙ではあるが2万人割れの可能性もある。経済生活問題を理由とする自殺者は不況期ほど増える傾向にあり、減少が続いているのは良いシグナルだと宅森氏は指摘する。
同じ理由で、金融機関店舗強盗の件数も参考になる。2019年は11月20日までで9件と、前年同時期の15件を大幅に下回っており、こちらも良いサインが点灯している。
景気は気候の影響も大きく受ける。エルニーニョ現象が発生すると暖冬や冷夏になりやすく季節ものの販売が低迷し、小売りを中心に景気を冷え込ませる要因となる。今年はやや暖冬気味の予報ではあるが、エルニーニョ現象が今のところ発生していないのは、安心材料だと宅森氏は話す。
消費税率引上げに伴うポイント還元事業が6月に終了し、消費の落ち込みも心配されるが、天候のサポートや東京五輪の盛り上がりに期待したい。