もう一つ、日本がバブル崩壊の引き金を引く要因が考えられる。東京オリンピック特需の終焉である。過去のケースを見ても、オリンピック開催による建設などの特需は、遅くとも開催の半年前にはピークアウトしている。それまでに、施設やインフラの整備を済ませないといけないからだ。新しい国立競技場が竣工した今、もはやオリンピック特需もほぼ終焉を迎えている。それが日本の景気の足を引っ張り、バブル崩壊の引き金となるというシナリオが考えられる。
ただし、2020年秋までに世界的バブルが弾ければ、中長期的に見れば明るい展望が抱けるかもしれない。2020年11月の米大統領選でトランプ氏が敗れる可能性も大きくなるからだ。現状は世界中のメディアがトランプ氏の再選を有力視している。
米国の有権者がトランプ氏を支持しているのは、ひとえに株価を高くしてきたからだろう。しかし、バブルが崩壊して米国株が暴落して多くの米国人が損失を被ったら、トランプ氏は一気に支持を失うはずだ。その結果、トランプ氏以外の誰が大統領に当選したとしても、トランプ氏よりましなはずで、中長期的に世界経済も凄くよくなると思っている。
いずれにしても、2020年は世界経済にとって、激動の1年となるのは間違いなかろう。