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在職老齢年金改正で得する「繰上げ請求書」記入の3つのポイント

 それ以降に生まれた世代にとっても朗報だ。働きながら年金の「繰り上げ受給」を選択する場合に、新制度の恩恵が受けられるからだ。

 繰り上げ受給は60~64歳までの任意の年齢から年金を前倒しして受け取る制度で、早くもらう代わりに年金額は減額される。60歳繰り上げ受給を選べば、受給額は最大の30%減額される。それでも、65歳から受け取るより5年間長く受給できるメリットは小さくない。定年後の生活設計において有力な選択肢の一つだ。

 ところが現行制度では、働きながら繰り上げ受給を選択すると、繰り上げに伴う年金減額に加え「在職老齢年金」制度の年金カットが適用され、二重の年金カットが行なわれる。そのため、定年後に雇用延長などで厚生年金に加入して働く高齢者は、事実上、繰り上げ受給を選べなかった(年金を損するだけだった)。

 それが、新制度で基準が緩和されると、「繰り上げ」を選択して月給と年金のダブルインカムが可能になるのだ。

 また今回の年金改正では、繰り上げによる年金減額のルールも変わる。現行では60歳受給を選べば年金額は30%減額されるが、新制度では24%減額で済むようになる。社会保険労務士の北山茂治氏が指摘する。

「標準的な年金月額16万円の人が60歳繰り上げを選ぶと、現行制度では30%減額されて約11万2000円になります。これが改正後は12万1600円へと約1万円もアップする。

 特別支給がなくなった世代でも、在職老齢年金の見直しと合わせると、これまでより繰り上げ受給のメリットが大きくなる。繰り上げ受給を選ぶかどうかはそれぞれの人生設計を俯瞰して判断すべきですが、制度改正の視点から見ると、繰り上げが有力な選択肢になると言えるでしょう」

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