飲食店の中でも回転寿司店の原価率は平均して40~50%と高い。その中でも人気商品のまぐろやウニ、イクラの原価率は70~80%に至ることもある。
目玉となるネタは「赤字覚悟で提供し、客の満足度を上げるのが大手回転寿司チェーン共通の経営方針」(回転寿司評論家・米川氏)だという。
ただし、同じまぐろでも2貫約100円の赤身と1貫約150円の中トロでは、1皿あたりの利益がおよそ2倍になるため「店側は高いネタのほうが儲かる」(同前)わけだ。
基本的にサーモンなどの鮮魚、ホタテや赤貝などの貝類、商品名に「生」がつくものは、原価の高いネタと考えてよい。同じえびでも、生の甘えびに比べてボイルされたえびは、原価率が非常に低く抑えられる。
えびだけでなく、たまごなどの「加工品」のネタは高い収益を上げられる“店の稼ぎ頭”となる。
子供に人気のコーンやツナサラダ、かっぱ巻きなども、原価は20円ほどに抑えられるため利益率は非常に高い。
回転寿司チェーンのもう一つの売り上げの柱となっているのが、ラーメンなどの充実したサイドメニューだ。「サイドメニューの原価率は約40%に設定されている。ラーメンなどは単価が高い分、1杯で寿司ネタ4皿分くらいの利益が出る」(米川氏)のだ。
店としては「寿司ではなくサイドメニューのみの注文も大歓迎」となる。
※週刊ポスト2020年1月31日号