全国に店舗を構える大手チェーンのハンバーガーも原価率の高い「赤字覚悟」のメニューだ。
「バンズ約20円、パティ(肉)約30円、ピクルス・オニオン・ケチャップなどが約10円で合計約60円、チーズバーガーは70円ほどと考えられる」(業界関係者)──といい、原価率は50%を超えることもある。
「それを補うのが、原価約35円のポテト(Mサイズ)や75円程度のチキンナゲット。コーラ(Mサイズ)などソフトドリンクも原価約5円と極めて安い」(同前)。つまり単品バーガーとポテトやドリンクのセットが増えるほど、利益率が高くなる。
「フィッシュバーガー単品の原価率は約30%だが、原価約35円のポテト、約5円のドリンクをセットにすることで、トータルの原価率は約20%に下がる。客側からは、それぞれ単品で頼むより値段は安くてお得に見えるが、その注文で店側の収益率は上がる“数字のマジック”です」(経済紙記者)。
利益を上げる構図を“システム化”しているのが大手ハンバーガーチェーンで、「セット販売」が収益の要になっているというわけだ。原価率50%を超える単品ハンバーガーがメニューの目立たないところに載っているのも、経営戦略の一環なのかもしれない。
また、大手コーヒーチェーンのブレンドコーヒーは、「基本的に1キログラム1000円を切る粉コーヒーを使う。1杯あたりの原価は8円程度」(大手チェーン関係者)だ。
一方のコンビニコーヒーは「1キログラムあたり1200~1300円のコーヒー豆。1杯ごとに豆を挽いて作るので原価は10~15円」(大手コンビニ関係者)と、値段に応じてやや割高だ。
※週刊ポスト2020年1月31日号