また、ファミレスでは「ビーフステーキなどの牛肉料理の原価率が高く、豚肉、チキンが割安」(大手チェーン店長)という傾向がある。ファミレスの定番商品ハンバーグステーキの原価は約100円(ハンバーグ約60円、ハッシュドポテト約20円、コーンやソース約20円)足らずだ。
それよりも、店にとって圧倒的に“ありがたい”のはドリンクバーで、ファミレスで最も原価率が低い。
「基本は1杯3~5円で、炭酸系でも10円以下。機械にメーカーのロゴを載せれば広告宣伝費補助でさらに安くなる。しかもセルフサービスだから人的コストもゼロ。20杯以上飲んでも元は取れない」(同前)
一方、中華については人手に頼らざるを得ないメニューが多々ある。「豚肉を素揚げするなど手間のかかる酢豚、エビや魚介類を使った八宝菜は食材も高く、トータルの原価はかなり高くつく」(前出・経済紙記者)という。
中華チェーンの餃子や炒飯(原価約120円=ご飯約50円+具材約50円、調味料約20円)は、食材費は安いが、「焼き加減の調整、炒める鍋フリが重労働になる」(大手チェーン関係者)といい、人的コストは小さくない。
中華チェーンのラーメンの原価は約185円(麺約50円、チャーシュー約30円、ネギ・メンマ・味付け玉子約90円、スープ約15円)。スープも炒飯に付けるものと併用で、コストの低い商品となっている。
※週刊ポスト2020年1月31日号