居酒屋では「理想的な客単価は3000~3500円」(チェーン居酒屋店長)とされるが、刺身などの生ものは原価率が50%を超えるケースもあり、店側にとっては扱いにくい商品だという。
大手のチェーン居酒屋は大量に食材を仕入れ、セントラルキッチンで調理。冷凍や真空パックになったものを、店舗で再調理、盛り付ける。原価は枝豆(100グラム)が35円、ポテトフライ(150グラム)が45円程度。漬物(4種盛り)は80円ほどだ。
人気の縞ホッケはロシア産なら原価200円ほどで、日本近海で獲れる真ホッケの半額に抑えられる。安価だが味はよく、店側も比較的リーズナブルな価格で提供している。
チェーン店が宴会コース料理に力を入れるのは、「原価の安い揚げ物や満腹感のある鍋、ご飯ものを組み込むことで確実に採算が取れる」(前出・店長)理由があるからだ。店側に“主導権”があるコースより、自分好みの一品料理を注文したほうがコスパも満足度も高そうだ。
※週刊ポスト2020年1月31日号