女性に男性の好みのタイプを尋ねると、非常に多いのが「清潔感がある人」という答え。辞書を引けば、
【清潔感】
1 汚れがないこと。衛生的であること。また、そのさま。
2 人柄や行いが清らかで、うそやごまかしなどがないこと。また、そのさま。
(goo辞書)
と記されているが、これを“真に受けて”はいけないかもしれない。都内在住の40代のシンジさんは、この「清潔感」という単語について、「勘違いしてはいけない」と、自らの体験をもとに警鐘を鳴らす。
シンジさんは現在、都内で働くサラリーマン。学生時代はバンド活動に熱中し、一時はプロを目指したこともある本格派の音楽ファンだ。勤める会社はそれほど有名ではない中小企業だが、業績は堅調で、収入は同世代の平均を上回っており、休みも比較的取りやすい。有名な音楽家と仕事をすることもあり、音楽好きのシンジさんにとっては天職のような仕事場だ。
そんなシンジさんは気楽な独身生活を謳歌してきたが、周囲に独身の友人が少なくなってきたこと、親に「結婚は?」と聞かれるのに飽き飽きしてきたこと、老後に1人で暮らすのが怖くなってきたことなど、様々な理由により、数年前から婚活に入った。とはいえ、ロックの魂を失わないシンジさんがプライベートで着るのは、常にロックTシャツ&ジーンズ。合コンにも平気でその格好で顔を出していたが、結果は芳しくなかった。シンジさんはいう。
「周りの友人からは、『第一印象が大事なんだから』と言われますが、自分としては、普段と違う格好で行くのは嘘をつくみたいでイヤなんですよね。どうせ後で嘘がバレるなら、最初からありのままの自分でいこうかなと」
とはいえ、連戦連敗が続けば、いくらなんでも気は滅入ってくる。ある時、アタックが実らなかった時、人づてに理由を聞いたところ、言われた言葉が「清潔感が……」というものだったのだ。