「私は自分が“清潔感がある人間”だと思っていました。着ているTシャツやジーンズは確かにくたびれていますが、1回着れば必ず洗濯します。毎日お風呂に入り、部屋もこまめに掃除し、爪もちゃんと切り、トイレに入ったら絶対に手を洗います。
けれども、“清潔”と“清潔感”は全然別なんですよ。“清潔感”というのは完全に女性の主観で、ヒゲを生やしていたり、体毛が濃かったり、汗かきだったり、肌が荒れていたりしたら、“清潔感がない人”になるようです。私は40歳になるまで、そのことに気付いていませんでした」
シンジさんはヒゲを生やしていて体毛も濃く、猛烈な汗かきで、ラーメンでも食べようものなら、顔じゅう汗まみれ。生まれつき肌が弱くて、肌は一年じゅうゴワゴワ、唇は常にカサカサだ。そこまで分かっているのなら、ヒゲを剃り、体毛も処理し、汗取りパッドを貼り、保湿クリームやリップクリームをペタペタ塗り、ついでにヨレヨレのロックTシャツもやめれば良さそうなものだが、シンジさんはこう抵抗する。
「女性の『清潔感がある人が良い』というセリフは、贅沢やワガママを言わない謙虚なイメージに聞こえますが、結局は『見た目が気に入らなきゃダメ』ってことですよね? 人には似合う・似合わないがあるんですから、私が白シャツなんか着たって笑われるだけです。女性の勝手な好みにいちいち合わせてられませんよ!」
シンジさんの言い分は一応筋が通っているように思えるだけに、男友達は何も言えず、「とりあえず……ヒゲだけでも剃れば……?」とアドバイスしているのだとか。そんなこともあり、最近ではお互いが不愉快にならないよう、女性にシンジさんを紹介する際は、事前に「ワイルドな感じ」と伝えることにしているそうだ。