夫婦でふるさと納税を活用しているのは、東京都内の30代の男性会社員・Bさん。
「実売の値段とのバランスで、コストパフォーマンスの良い返礼品を探しています。毎年購入するのが、冷凍のホタテ。かなりの量が入っているうえに日持ちもするので、鍋や揚げ物など幅広い料理に使えます。モツ鍋もふるさと納税がなければ、なかなか食べない代物。スーパーで販売しているモツと比べて質も良く、お店の味を手軽に味わえたので満足度も高かったです」(Bさん)
一方、「失敗した」と感じたのは、自らの利用シーンに合わない返礼品だった。
「普段使いで色や素材を統一しているタオルは、使うことがありませんでした。また、豚や牛の切り落とし肉、餃子は量が多かったため、使い切ることができず、友人におすそ分け。返礼品がもらえるからと、つい欲張ってしまいますが、届いた後の生活までイメージしないと、もったいない思いをすることを学びました」(Bさん)
30代の女性会社員・Cさんは、ふるさと納税を利用して3年になる。返礼品がもらえることも魅力に感じているが、その選定軸はAさん、Bさんとは異なる。
「まず納税したいと思える市区町村を選んで、返礼品がお得かどうかはその次に考えています。選ぶのは、自分や夫、友達の出身地や、過去に訪れた旅行先などの『応援したい』と思える自治体。返礼品ありきで選んでいる訳ではありませんが、どこの地方も名産が多く、全部が美味しいです」
返礼品が取り沙汰されることも多いふるさと納税だが、そもそもの目的は地方の財源確保と活性化。制度の本分に立ち返り、応援したいと考える自治体へ納税するのも一考かもしれない。