すると、賛否両論のコメントが殺到し、SNSでは炎上にも近い議論に発展。なかには「アメリカ産牛肉に高濃度の女性ホルモンが残留しているのは事実」「文句は牛丼屋ではなくアメリカに言ってくれ」といった意見も散見された。
ここで、牛肉を使用する大手外食チェーン22社(ファミレス、牛丼、ハンバーガーなど)にアンケート取材を行った。「牛肉を使用した主力商品」とその「原産国」を問うもので、その結果、4社が主力商品にアメリカ産牛肉を使用していると回答した。
牛丼チェーンA社は、アメリカ産牛肉の使用を認めたうえで、このように回答した。
「国際機関が定める摂取許容量を下回る範囲内で肥育促進剤の残留基準を設定し、それを超える食肉の輸入や販売を禁止することで、食品の安全を確保しています」
ライバルの牛丼チェーンB社の回答はこうだ。
「肥育ホルモン剤に限らず、治療・予防のための薬剤等を決められた用法、用量で使用しています。公的な検査のみならず、当社の自主検査においても基準を超える残留の事例は一切ありません」
いずれも「アメリカ産牛肉は使用しているが、残留ホルモン量が基準値を超えることはないため安全だ」という主張だった。
ハンバーガーチェーンC社は、アメリカ産、国産、オーストラリア産などの牛肉を、商品によって変えているという。その見解はこうだ。
「産地や部位により風味やジューシーさ、食感が異なるため使い分けています。自主検査により食品衛生法で定められた基準に違反していないことを確認しています」
現在、多くの外食チェーンがインターネット上に「原産地情報」を公開している。全国展開している大手ファミレスや焼肉店も、開示されている牛肉の原産地は多くがアメリカ産だった。