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ビジネス

安くなって輸入激増中の米国産牛肉に潜む「ホルモン剤」のリスク

アメリカ産牛肉の輸入量が急増

アメリカ産牛肉の輸入量が急増

 スーパーの精肉コーナーに異変が起きている。《アンガスビーフ、値下げしました!》、《大還元セール アメリカ産牛肉ステーキ用》──。国産牛やオージービーフのショーケースだった場所に、この年明けから、値下げされたアメリカ産牛肉がズラリと並ぶようになったのだ。

「国産はやっぱり高い。それでも中学生の息子が牛肉を食べたがるので、アメリカ産が安くなっているのはうれしい」(埼玉・40代主婦)

「サシが入った高級和牛の肉は胃がもたれて、量が食べられない。それよりも、肉の味がしっかりする分厚いアメリカ産の赤身肉をじっくり焼いて食べるのが、最近のわが家のブーム。安くなって、さらに大きな塊で購入するようになりました」(東京・50代主婦)

 国産牛や、オーストラリアやニュージーランドからの輸入牛の価格は据え置きなのに、アメリカ産だけ値下げされたのには、はっきりとした理由がある。今年1月1日から、アメリカ産牛肉を輸入する際に日本政府がかける関税が安くなったからだ。

 これまで38.5%だったアメリカ産牛肉の関税は、「日米貿易協定」が発効した今年元日から26.6%へ、3割も引き下げられた。これでオーストラリアやカナダなどの環太平洋パートナーシップ協定(TPP)加盟国と同じ関税率になったことになる。今後も段階的に関税率は下がり続け、2033年4月には9%にまで下がる予定だ。

 この関税率引き下げがきっかけで、各社も動きを見せた。冒頭のように、イトーヨーカ堂やイオンリテールなどの大手スーパー各社が1月上旬、こぞって「還元セール」を行ったのだ。

 実際、アメリカンビーフの輸入量は激増している。財務省の速報値によれば、アメリカ産牛肉輸入量は、日米貿易協定が発効した今年1月1日から10日までで、すでに前年同月(1万7525トン)の50%を超える9533トンに達し、このペースでいけば1.5倍以上に増える。今後、手頃な価格のアメリカ産が日本中のスーパーに行きわたることになり、私たちの食卓にも上ることだろう。

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