業績拡大を続ける店と停滞する店は何が違うのか。中華料理チェーンでは、50年以上の歴史を誇る「餃子の王将」を格安ラーメンの「日高屋」が猛追してきたが、ここにきてその勢いに陰りが見えている。
日高屋を運営するハイデイ日高の2019年11月期決算は、売上高こそ前年比0.1%増の314億円だったが、営業利益は16.3%減の30億6500万円にとどまった。
対して餃子の王将を運営する王将フードサービスの2019年12月期決算の売上高は前年比4.3%増の639億円、営業利益は同7.7%増の59億円と増収増益だ。
王将といえば男性客主体のイメージが強かったが、店を覗くと女性客もちらほら目に付く。
「ニンニクゼロの餃子もあるから、気兼ねなく食べられる。ハイボールと餃子二人前で夕食を済ませて帰ります」(30代事務職女性)
外食チェーン事情に詳しい調達アナリストの坂口孝則氏が語る。
「店舗での調理から工場生産に切り替えたり、食材全てを国産にしたりと、徹底的に餃子の品質向上に力を注いだのが王将でした。ニンニク抜きを用意したことで、女性客や家族層もしっかり掴んだ。あくまで“餃子店”としてどう客に訴求するかを常に考えているのが王将です。
一方の日高屋は、主力のラーメン以外にも力を入れていた。そのひとつが、各メニューに合わせてアルコールを提供する“ほろ酔い戦略”です。しかし、コンビニのイートインの拡大で、飲食店でのアルコール需要が減っていたことが影響した。また、糖質制限ブームで、ラーメン主体の日高屋が避けられがちになったことも、原因のひとつかもしれません」
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号