首都圏住民にとって、「鉄道」は日々の生活に欠かせないものだ。毎日のように利用する路線や駅には愛着がわくが、その一方で重要なライフラインゆえに「なんでこんなに不便なんだ!」と、イライラが募ることもしばしば。試しに各沿線の住民たちに訊ねてみると、不満や怒りの声が出るわ出るわ。
埼京線と並ぶ埼玉の大動脈である東武東上線。池袋を始点に、成増、和光市、ふじみ野、川越、坂戸、東松山、寄居などを結んでいる。不満が多く聞かれたのは川越駅以外の利用者からだ。
「“小江戸”として人気の観光地・川越のために他の駅の利用者が犠牲になっている。東武東上線では『TJライナー』『川越特急』など川越までいち早く着く便を導入していますが、その便との待ち合わせで他の列車が割を食うんです。
待ち合わせや通過待ちのために駅で何分も待たされるし、その間ずっと車両のドアが開けっ放し。車両内で冷暖房をしていても、夏はうだるように暑いし、冬はとても寒い。本当にどうにかしてほしいと思います」(鶴ヶ島駅を利用する30代女性)
こうしたユーザーの声をあらためて東武鉄道株式会社に伝えたところ、次のように回答した。
「速達性の高い急行列車などの運行もあり、これらの列車の待避が可能な駅が限られております。お客様にはお待ちいただく時間が発生し、大変恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
通過列車等の退避における、一部扉の締切りにつきましては、駅停車時分・外気温等を考慮し取り扱っております。今後とも車内空調維持に努めてまいります」(広報部)
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号