国家ができることが限られるなら、個人が頑張るしかない。死亡率は2%強であり、SARSやMARSなどと比べると低い。高齢者や、抵抗力の弱い持病を持つ人への徹底した配慮を進める一方で、マスク着用、アルコール消毒など、社内、通勤電車内での徹底した感染予防対策を行いつつ、必要がない限り、人の集まるところにはいかない。睡眠をしっかりととり、栄養バランスのとれた食事を心がけたい。
日本経済への影響も必至であろう。日本では経済体制の違いから、中国のような迅速で柔軟な対応は難しい。結局、金融政策に頼ることになるのだろうが、長年緩和政策を続けているだけに、量的緩和の上積みには限度がある。
消費税の影響があり、10-12月期のGDP成長率は実質ベースで▲6.3%減、名目ベースで▲4.9%減となった。消費減速が景気の足を引っ張っているわけだが、1-3月期は消費者が外出を控えるであろうこと、インバウンド消費が大幅減となりそうなことなどから、消費低迷は更に深刻となりそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。