まさに強敵の狙わないスキマを突いた、巧みな戦略だ。ラーメンやスイーツなど、サイドメニューも回転ずしの楽しみの1つだが、その枠を大きく超えた店も存在する。柳生さんによれば神奈川県小田原市の人気店『あじわい回転寿司・禅』では地魚を使ったすしをはじめ、本格的なフレンチを提供、スイーツ類や酒類、コーヒー類も充実しているという。
米川さんは炙りずしのクオリティーが高い「九州寿司 寿司虎Aburi Sushi TORA」に注目していると話す。
「昨年、東京・二子玉川にオープンしたTORAは、もともと宮崎県のご当地ローカル回転ずし店でした。これがカナダ・バンクーバーに進出したところ大成功。いわば“逆輸入”という形で東京上陸を果たした店なのです。これまでの炙りすしの概念を超えた味わいとビジュアルにリピート客が続出しています」(回転ずし評論家の米川伸生さん)
これらの店は価格競争とは別のステージで闘いを挑み、回転ずしの世界に新たな色の花を咲かせている。子供たちは臨時休校、夫もリモートワークで家族の顔がそろう機会が多いはず。この春、ちょっとぜいたくな回転ずしを楽しんでみてもいいかもしれない。
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号