同調査では「どのケースももともと経営難、厳しい経営環境に置かれていた共通点があり、新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。今後は、エリア拡大や新型コロナウイルスが主要因となる倒産、連鎖倒産の発生が懸念される」と指摘している。
街を歩けば一目瞭然だが、外出を極力控え、電車などに乗る場合もマスク姿が当たり前で他人との距離を取ろうとする。ふだんなら予約の取りにくい名店も気軽に入れたり、繁華街も人の姿は確実に減っている。生活実感でも経済が冷え込んでいることは手に取るようにわかるだろう。
街角の景況感も急速に悪化している。内閣府が3月9日に発表した2月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断指数(DI)は27.4となり、前月から14.5ポイントの大幅ダウンで、東日本大震災直後の2011年4月以来の低水準。2~3か月先の景気の見方を示す先行き判断DIは、前月比17.2ポイント低下の24.6だった。これも東日本大震災の起きた2011年3月以来の下げ幅であり、先行きが明るいとの声は聞こえてこない。
9年前の大震災が「目に見える恐怖」あるいは「目を覆うばかりの災害」だったが、今回は「見えない恐怖」が実体経済に「目に見える影響」を及ぼそうとしている。