「各自治体の保健所で感染症対策を担っている保健師が中心となって、陽性が確認された患者さんが入院する前に、自宅に電話をかけて聞き取りをするケースが多い。
熱や咳など初めて症状が出た発症日から遡って14日間と、発症日から陽性が確認されるまでの間の行動について教えてもらいます。
いつどこに行ったか、電車やバスなど、どのような交通機関を使って移動したか、誰と会ったか、そのときマスクをしていたかまで、その間の症状の経過とともに聞きます」(同前)
患者が覚えていない場合、手帳やスマホなどで記憶を辿ってもらいながら発症後の行動を確認するという。
罰則はないけれど…
2週間分の行動ともなれば、やましいことの一つや二つあるはず。連絡が行って世間に知られてしまうリスクがあるならば、言わないで隠しておくしかないのか。実は行動歴を正直に明かさなくても、罰せられることはない。
「あくまで患者の自己申告なので、それが真実かどうか確認する術はなく、たとえ虚偽でも罰則はありません。警察の捜査ではないので、行動歴の裏取りをすることもありません」(同前)
しかしこの場合、訪れた店や接触者に感染が広がるリスクが高く、後で発覚した場合、大きな批判を浴びることになりかねない。
コロナ渦が過ぎ去るまで、やましいことはしないでおくほかないということか……。
※週刊ポスト2020年4月3日号