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在宅介護の大失敗 大金でリフォームするも母が段差で大怪我

せっかくリフォームしたものの(イメージ)

せっかくリフォームしたものの(イメージ)

「人生100年時代」において在宅介護・在宅医療の注目が高まり、愛着のある自宅で人生を締めくくることを望む人が増えた。しかし、ひとつ間違えると理想とは程遠い“悲劇”を招いてしまうことも。経験者たちの失敗例から学べることは──。

 東京都在住の男性A氏(56)の母親は4年前、79歳のときに要介護認定を受けた。

 A氏には母親を老人ホームに預ける経済的な余裕もあったが、「できれば一緒に暮らし続けたい」との思いから、手すりの設置や段差の解消などのリフォームを施して在宅介護することにした。

 最初の2年間の介護生活は順調だったが、ある日、母親は風呂場で転倒して、後頭部を9針縫う大怪我を負ってしまう。

「家族の見守りは万全のつもりでしたが、風呂場の入り口の小さな段差につまずいてしまったようです。以前はつまずかなかった小さな段差なのですが……」(A氏)

 加齢に伴って筋力が低下すると、それまで気にならなかった障害物によって転倒してしまうケースが増えてくるという。万全のリフォームを施したと思っていても、思わぬ「抜け穴」が出てくるのだ。

 現役ケアマネジャーの大河内章三氏が語る。

「自宅での転倒は絨毯のちょっとしたズレなどささいなことで起こります。在宅介護による怪我を防ぐには、定期的にケアマネに相談して、家の中に“気づきにくい転倒リスク”がないか確認してもらうとよい。

 他にも『訪問リハビリ』を試してみてもよいでしょう。訪問リハビリは、段差や手すりの位置など、それぞれの家に特有の障壁をどう乗り越えるか、という視点で行なわれるものです。

 介護保険が適用される訪問リハビリサービスは、医師が必要だと判断すれば受けられるので、まずは担当のケアマネに相談してください」

※週刊ポスト2020年4月3日号

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