家計

存在感増す米国産乳製品に潜む「遺伝子組換えホルモン」のリスク

「γBGHは危険ではない」と表記しているが、その上には太字で「FDAに表記を要求された」ことが強調してある(画像は鈴木さん提供)

「γBGHは危険ではない」と表記しているが、その上には太字で「FDAに表記を要求された」ことが強調してある(画像は鈴木さん提供)

 実際にアメリカのスーパーで売られている牛乳パックを見ると、《認証オーガニック商品は合成ホルモン(γBGH /γBSTなど)を使用していません》と明記。さらに《以下は、FDAの要求に基づいた表示です》と太字で強く前置きしたうえで、《γBGH/γBSTを投与していてもいなくても、牛乳の安全性に明確な違いはありません》と記載している。

 大西さんによれば、米国農務省の調査で、2000~2005年の期間に17%の牛にγBGHが使用されていたことが判明しているという。ところが──。

「500頭以上の牛を飼育する大規模経営の牧場に限っては、γBGHの使用率は40%以上です。アメリカの消費者の意識は高まっており、最近では一般的なスーパーに並ぶ乳製品のほとんどにホルモンフリーの表記があります。

 つまり、“ホルモン入り牛乳”は、アメリカ国内には出回らず、海外に輸出されている可能性が高いのです」(鈴木さん・以下同)

 しかし、EUやオーストラリアではγBGHの使用はおろか、それを使った乳製品の輸入も一切認めていない。肉牛を早く大きく育てるために投与する合成女性ホルモンは残留基準値が設定されているのに対し、γBGHは「使用すること自体がアウト」だ。

 では、γBGHを使ったアメリカ産乳製品はどこへ行くのか。そう、日本である。

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