新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため、会社へ出勤せずに仕事をする「テレワーク」が推進されている。
このテレワークという言葉、今回の騒動で初めて耳にしたという人も多いだろう。1か月前から在宅での仕事に切り替えたシステムエンジニアの夫を持つ40代の涼子さん(仮名)は、その変化に驚く。
「夫は往復2時間の通勤時間がなくなったので、朝はゆっくり起きてから筋トレとランニングをして、以前より表情が生き生きとしています。というか、“なんだ、会社に行かなくても仕事できるんじゃん”という感じです。
エアコンやパソコンをいままで以上に使うので電気代は多少上がりましたが、昼の外食代が浮いたのでむしろ安上がり。子供と過ごす時間も増えました。自由にたばこを吸いながら作業ができることもうれしいようで、“ずっとテレワークならいいのに”といつも話しています(笑い)」
出産後は家庭に専念していた涼子さんだが、自宅でのびのび働く夫を見て、自分もテレワークで働けるのではないかと興味を抱き始めたという。
パート勤務より収入が増えた人も
「テレワーク」は、「tele=離れたところで」と「work=働く」を合わせた造語で、「在宅ワーク」「モバイルワーク」「リモートワーク」など、会社以外の場所で業務をこなす働き方全般を表す。1980年代からあった言葉だが、日本で本格的に推進され始めたのは3年前。国は東京五輪開会式の7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、毎年同日には、一部企業で予行演習が行われてきた。