投資情報会社・フィスコが4月6日~4月10日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米国内での新型コロナウイルス感染がピークを迎えつつあるとみられており、感染の被害状況をにらみながらの為替取引となりそうだ。米国経済縮小への懸念が強まることによって日米の株安につながり、一時的にユーロ、日本円に対するドル買いがやや強まる可能性がある。
トランプ大統領は4月12日の復活祭までのビジネス再開を目指していたが、ウイルス感染被害がさらに拡大するとの見方から外出自粛などの政策を延長。ただし、米国内でのウイルス感染による死者は大幅に増加する可能性が高いとみられており、リスク回避的なドル買いが長続きするとの見方は少ないようだ。ウイルス蔓延の影響が経済指標にも徐々に表れている。特に雇用関連指標は景気後退(リセッション)入りを思わせる極めて低調な内容が続くとみられる。
トランプ政権は3月に2兆ドル規模の大型経済対策を成立させたほか、連邦準備制度理事会(FRB)は無制限量的緩和やドル資金供給などさまざまな政策を繰り出し、金融市場の混乱をできるだけ抑えようとしている。ただ、ウイルス感染被害の拡大ペースに追い付かず、効果は長続きしない可能性もある。なお、4月10日は聖金曜日の祝日となり、欧米諸国の金融市場はおおむね休場となる。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(8日公表予定)
米FRBは実質ゼロ金利政策に踏み切った。その後、無制限の量的緩和(QE)も決めているが、さらなる金融緩和を模索していることが確認された場合、株式市場は好感する可能性がある。
【米・3月消費者物価指数(CPI)】(10日発表予定)
10日発表の3月米CPIは、前年比+1.6%、コア指数は同比+2.3%といずれも2月から鈍化する見通し。人口の多い地域の封鎖などが消費にどのような影響を与えているか注目される。